今回はジャパンポートコンテンツ株式会社に勤める中矢暁仁(あきと)さんを取材しました。優しい声色とゆったりとした話し方が親しみやすく、どことなく不思議な雰囲気を醸し出す謎多き人物、中矢さん。おっとりしているように見えて、相手の思いを汲み取った言葉選びには先輩社員からも高い評価を受けています。今回はそんな中矢さんの過去を掘り下げながら、入社に至った経緯や現在の仕事について伺っていきたいと思います。
大学に行く時間がもったいないから働きながら学ぶ道を選択した。
― 中矢さんは高校卒業後、大学に進学できたのに進学せず就職の道を選んだと聞いたのですが本当ですか?
本当です。僕もともと大学に興味なくて。そもそも学びたいことや、明確にやりたいことが自分でもわかっていなかった。大学の4年間を使ってやりたいことを見つけるのもアリだと思うんですけど、時間もお金もかかるしもったいないと感じていたんです。
やはり周りは大学に行きましたし、親も大学入学推進派だったので「大学行ってから決めればいい」とか「なんで大学行かんのや」と言われていました。僕の通っていた高校は国際教養に特化していたこともあって、海外を目指す人や向上心の高い人も多かった。自分の頭にも大学の選択肢はありましたので、周囲にたくさん相談しましたし、大学のオープンキャンパスも見に行きました。でも「元気だなー」と思うくらいで大学に惹かれることがなかった。
もちろんお医者さんになりたいとか弁護士になりたいとか明確な夢があれば進学したと思います。でも大学のメリットは研究設備があったりとか専門知識を学べることかなって感じたので。
時代的に情報商材がすごく多いじゃないですか。だから大学に行かなくても学ぶことはできるし、何かやりたいことができたときにネットで調べて独学で勉強してもやれることは多いんじゃないかなと思ったんですよね。
結論、「行く意味ないんじゃないかな」と自分の中で落ち着きました。もちろんたくさん悩みましたけどね。
― やりたいことがなくてもとりあえず大学に行くという風潮がある中でかなり現実的で効率的な考え方ですね。では高校卒業に合わせて就活されたんですね。
ちょっと遅くて高校3年生の7月頃からですね。実家が引っ越しすることになったのに合わせて、一旦友達のお母さんの知り合いの社長さんのところで保育園の託児所のアルバイトをさせてもらって、1か月位でお金が貯まったらプログラミングの勉強を始めました。
― プログラミングの勉強ですか?
そうそう。プログラミングをやっとけば腐らないんじゃないかなとか、将来的にも絡むことがあるかもな、と思って、とりあえずプログラミングを勉強しながらバイトでお金貯めたりできればいいなって思っていて。
そうしたら親から「家にいるなら今月から家賃と光熱費を家族人数分で分割して、自分の分を払っていきなさい」と言われて、「これは家にいても独り暮らしも変わらんな」と思って、そのままリゾートホテルに住み込みで働きに行ったんですよね。
それで1か月の試用期間が終わって「バイトしながら勉強できるなら、仕事しながらでも勉強できそうだな」と思って、そのまま東京に来て1か月間就活することにしたんです。就活期間1か月分のシェアハウス代とかを支援してくれる就職エージェントを活用してJPCに出会いました。
代表の一言が刺さり、先を見る人にあこがれて入社
― 中矢さんの行動力の高さには驚くばかりです。はじめてJPCの採用面接を受けた時、どう思いましたか?
最初は山本さんとお話しました。正直に言うとサッカーの話をしたのが印象的で、それ以外あまり覚えていないです(笑)
1日で複数の会社とお話ができる集団面接イベントでJPCに出会ったんですけど、1社5分くらいしか話せない状況で10社くらいの話を一気に聞いたので頭に入ってくる情報が多くて。
様々な会社の方とお話して、「こんな人と働きたいな」と思った何社かに応募をして、最終的にJPCの代表とお話して「ここかな」って思いました。
― 代表との面接が決め手だったんですね。代表とはどんな話をされたんですか?
一番印象的だったのは、最初の一言目で「2年後に君がここにいるような状態で話をしよう、入社2年目の社員の気持ちで話してほしい」といわれたことですね。
僕の経歴って結構面白いでしょ?大学行かずに高卒で住み込みで働いたりしてて。コンプレックスはないんですけど、人事の方は経歴を気にされるだろうなとか、質問されるだろうなと思って面接に臨んでいたんです。でもこの会社の面接ではそういうことを一切聞かれなかったし、色眼鏡なしで僕を見てくれました。
「2年後にここにいるような状態で」と言うことで、たぶん僕がリラックスできるように配慮してくれていて、この会社が「僕にとって」合っているのかどうかを聞いてくれているのを感じたので、このまま入社しようと思いました。
やりたいことを決めない考え方は変わっていない、でも業務と経営塾を通して着眼点が広がった。
― 入社して3年間セールスプロモーションをやってきて、今では難しい店舗を任せられるまでになった中矢さんですが、これから何か新しくしたいことや目標はありますか?
明確にこれがしたいとかはないかなぁ。前に代表が「農業やるか!」みたいな話をされていましたが、たぶん僕は農業でもなんでも「やるか!」と言われればやると思うんです。
特に何かこれをやりたいとかはなくて、昔から「何がしたいんや?」と聞かれても答えられないし、決めないとダメなのかなと思うところもあったりして。
入社する以前は目標を尋ねられるたびに、とりあえずその場しのぎの言葉を並べていたんですけどね。どうしてもなりたいわけじゃないし、本気でそれを目指すかといわれると違うけど、なんとなく「自然が好きだから自然にかかわるような進路にいきたい」とか。ただそれ以上追求されるのも嫌だし、何か答えないとだめだなと思って、出す言葉はいつもその場しのぎの言葉ばっかりで。
何も考えてないわけじゃないけど、今も特に何になりたいとか、これといった目標はありません。
だけど成長したいという思いは昔も今もあって、入社してからは特に知りたいことが増えましたね。JPCの代表は経営塾を主宰していて、僕もその塾に通っているんですけど、代表が「何でそう考えているのかな」とか「どうやって物事をとらえているのか」とか、お話を聞いていると自分も代表みたいな考え方ができるようになりたいなと思うんですよね。何か社会や人に対して応えられる人間にはなりたいなと思います。
― 現代人は特に明確な目標、明確な趣味、わかりやすい仕事みたいなものにとらわれ過ぎているのかもしれませんね。やりたいことを決めつけずに素直に成長を目指す考え方はとても素敵です。業務や経営塾を通して成長したなと感じることはありますか?
着眼点というか、捉える幅がすごく広がったと思います。以前は主観で物事を見て考えることが多かったんですが、経営塾で見方や考え方を学んでいることもあって、他の人が「何でこう考えているんだろう」とすごく思考を巡らせて生活するようになりました。
だから店舗内のお客様に対しても他の商材の担当社員さんや量販店の社員さんに対しても、入社したばかりのころに比べると感じとれる相手の思考や行動が増えているので、成長してはいると思います・・・恥ずかしいですけどなんか(笑)
視野が広がったことで、親の考えにも気づくようになりました。心配してくれているのはわかりつつも以前はいろいろ言われて「うざいな」としか思えなかった。でも今はなぜ親がそういう風に話してくれていたかを考えるようになりましたね。
親がどういう人生を生きてきてどう考えているのかを考えるようになりました。JPCに入社して人の法則(ヒトサイエンス)を学んで、「人はこの時になぜこう考えるのか」を前よりも深いところで感じられるようになったからだと思います。今後も着眼点を増やしてもっと色々なことを捉えられるようになりたいですね。
― 引き続き中矢さんのご活躍を期待しています!
本日は貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました。
最後に、先輩社員の吉本さんから中矢さんへのコメントをご紹介します。
先輩社員からのコメント
先ず最初に言えることは、中矢は非常に観察力がある人です。
「なぜこうなのか?なぜそうなるのか?」と自分が疑問に思うことに対して、常に観察を怠らずに、そこに対しての理解を深めようと努力しています。
自分が理解してかみ砕いた内容を、より分かりやすく人に伝えようとする意識が高く、また、それを伝えることが好きな人です。しかし、それを表現するためにどの言葉を選べばよいのかたまに分からなくなって、頭の中がグルグルすることがあります。
何かを発見することに喜びを感じ、それを共有することの大切さを知っています。
入社時は、自分の思ったことをそのまま口にする人でした。それは相手や周りに対して、「どう伝わるのか。どう思われるのか。」を知らずに、相手にただ自分の思いをぶつけるだけの言葉が多かったです。
一緒に店舗で稼働していくにつれ、自分自身が発した言葉や、自分が提供したものに対して相手がどう思うか、どういう行動をするかなどを知っていくことができていると思います。
元々、繊細なものを持っており、相手の気持ちに敏感に反応できるからこそ、思い悩むこともあったと思います。入社当時、未成年だった子供の心から、この数年で大きく大人への階段を上っています。
私から見て中矢の素晴らしさは、人の思いを感じながら言葉を選択できるセンスだと思います。まだこれから学ばなければいけない部分も多いとは思いますが、それを選択できるということが素晴らしい。謎なところも多いですが、相手が思っている以上に思考しています。それをより、表現しながらその場にあった反応をしていけるように今後がんばっていってもらいたいです!
インタビューを終えて
いかがでしたでしょうか。周囲の人に流されることなく自身で働く道を選んだ中矢さん。「やりたいことがない」と素直に向き合い、「自身の成長」という真の目的にフォーカスして行動してきたことが中矢さんの成長のカギになっているのだと感じました。彼の成長を支え指導するだけでなく、幅広く挑戦する機会があるJPCという環境で、より一層進化していく中矢さんに今後も期待です。